杉本瓦工業株式会社
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違う景色が見たい待ってくれていた故郷やる価値がある人がやりたがらない仕事こそ若い時から手間がかかる細かい作業や、神経を使う仕事を誰よりも率先してやるよさけうにしてきました。やりたくないからと避ていると苦手意識はそのまま。でも、進んでやれば上達し、得意になります。周りからも信頼され、「あなたに任せたい」と指名されるようになり、良い循環ができることをたくさん経験してきました。故郷の自然の厳しさが職人の腕を磨き人のやさしさが情熱を育てる大おおはし橋 伸しんや也さんをしました。初めて瓦かぶ葺きの仕事に就ついたのは十代の頃ですが、しばらくして辞めてしまったんです。それは瓦葺きが嫌いになったわけではなく、能登で生まれ育った自分は、一度この土地を離れて知らない世界を見てみたくなったのです。金沢でのひとり暮らしは自由で、やっぱり中心都市は賑にやかで楽しいと思いました。でもなぜか仕事に関しては、屋根の上が好きでした(笑)。金沢近郊には次々と新しい住宅地ができ、隙すま間なく屋根が連つなる風景を上から眺なめると、たくさんの人たちがこの街に生活の場を移しているのがわかります。まだ半人前でしたが、この先も瓦葺き職人として生きていくと心に決めていた自分は、同じ屋根の上で仕事をするなら、土までやさしい能登に帰って、しっかりと腕を磨いていきたいと思いました。わらがきらぎや8歪ゆがみ、雨水が浸入して無残な姿になっ能登には、昔ながらの日本家屋がたくさん残っていて、古くなった瓦屋根の葺ふき替えがたくさんあります。風雪に長年耐え、下したじ地が痛んで形がた屋根を見ると、「俺がちゃんと直してやる」という気持ちになります。 葺き替えの場合、大工さんのように木材を使って*野のじ地から作り直すので、どんなケースにも対応できるよう屋根の構造を知り、新しい工こうう法ほも用いる幅広い技ぎりう量ょが求められます。ここ数年、大雪や台風の影響で屋根の修理を待つ家がたくさんあります。仕事をいただいて感謝するのは自分なのに、いつもお客様のほうからお礼を言われます。今度、初めて出場する技能競技大会は、全国の瓦葺き職人の仕事を間近で見れるとともに、自分の腕を試す絶好の機会。育ててくれた親方、そしてお客様のために、持てる力を思い切りぶつけてきます。(41歳)出身校:中能登町立鹿西中学校25歳の時、この会社に2度目の入社*野地 …屋根瓦の下に張られた下地材料瓦の製造工場から始まった、瓦のことを知り尽くしている屋根工事専門の技能集団。若い社員が多く、厚生労働大臣認定のかわらぶき 1 級技能士は 23名います。杉本瓦工業株式会社〒925-0004 羽咋市一ノ宮町レ100番地Tel. 0767-22-0625URL https://sugimotokawarakougyou.jp ■代 表 者 代表取締役社長 杉本 孝司■創  業 昭和8年■従業員数 40名瓦葺き職人杉本瓦工業株式会社工事部 かわらぶき1級技能士

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