砺波工業株式会社
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■島川 賢治さん郷土を守り続ける誇り歴史にのこる先人の仕事に安心を足して未来へのこす自分たちの造ったものが地図に載るのはもちろん嬉うれしいですが、地図に載ることもなく、知られることがなくても、多くの人々の生命を守り、生活に安心を与える建造物はたくさんあります。富山市の中央を流れる常願寺川も、かつては土砂災害や洪水が度々発生し、名もない先人たちによって行われた治ちすい水事業や砂さぼう防工事の数々が歴史に残されています。私は、高校と大学で土木を学んできましたが、入社してからのほうが何倍も勉強しました。国家資格の一級土木施工管理技士の試験に取り組み、合格して初めて現場責任者を任されたのが、常願寺川の上流、砂防工事用トロッコを落石から守るための鉄てっく柵さ工事でした。山深い自然の中、立山カルデラにつながる軌きどう道を見下ろす斜面は鬱うっう蒼そと樹木が生い茂り、そこに約100mにわたって鉄柵を施せう工する工事は自分にとって初めての経験。斜面の起きく伏を調べ、落石をどうくい止めるか判断し、専門の施工業者さんに作業を指示しなければなりません。工法についても、事前にしっかりと勉強しておく必要がありました。この鉄柵は施工してからやがて10年経過しますが、人知れずトロッコを落石から守り、人や物資を安全に送り届けることに役立っています。これまで経験してきた仕事をふり返ると、土砂崩れを防いで山の景観を保全するために、山さんく腹ぷに金網を こふ8(37歳)川しまかわ 賢けんじ治田きょうだ 健けんせい晟島京土木部 係長 一級土木施工管理技士土木部(19歳)島川さん(左) 京田さん(右)出身校:富山県立富山西高等学校、金沢工業大学 工学部出身校:富山県立高岡工芸高等学校土木現場監督砺波工業株式会社

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