株式会社 月星製作所
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■開発部 村木 智哉さんバイクの恩返し試しこ行う錯さく誤ご。進んだと思ったら、また力をお願いするのが私の役目。思い違いなどがあると、一からやり直さないといけません。情報が的確に伝わるよう、わかりやすい説明を心がけ、メールや電話だけに頼らず、直接現場に出向いて説明したり、先を読んで準備をしたり、確認しておくことがないか先輩に相談します。自分で考えて行動したことが結果につながると嬉しいですが、毎日が壁にぶつかります。でも、無理なお願いを聞いてくださるみなさんの優しさに触れるたび、この職場との出会いに感謝し、より頑張ろうと思います。金かなた型がと工程の設計。入社1年目の僕僕が乗っているバイクは、壊れて放置されていた友人のバイク。エンジンもかからず、タンクも錆さびついて廃はいゃ車し同どうん然ぜだったのを執しゅう念ねんで直し、また走れるようにしたんです。だから一つひとつの部品に愛着があり、古くても手放すことができません。鉄くずのように置かれていたバイクでも、タイヤの車しゃく軸じが全く歪ゆがんでいなかったのは、「冷間圧造」で成型されているから。実は僕がいる製品開発課で行っているのが、「冷間圧造」のは、新たな製品を試作する金型づくりに、日々奮ふんう闘としているところです。先輩の仕事を手伝いながら、自分で金型を設計できるよう、目もっか下勉強中ですが、机きじう上ょで考えていてもわからないことがたくさんあります。先輩に聞けば教えてくれますが、フットワークが軽い先輩たちは、隣にいたと思えば製造現場に足を運んで各工程の作業担当者と相談したり、その行動力と探究心には驚おどろかされます。実際、現場の技術者は経験値が豊富な高い技能を持ち合わせた人たち。世界中の自動車メーカーに部品を供給するメガサプライヤーから信頼されているエンジニアですから、開発に携たずさわる僕たちにとってはまさに、鬼に金棒のような存在。僕が設計した金型が間違っていたら、試作品も正確に作れません。それを正しく修正できるのも、現場の人たちの技術のおかげなのです。学生の時は失敗を恐れていましたが、この仕事に就ついて学んだのは、失敗しないと大切なことに気づかないということ。僕は、失敗したら必ず原因を考え、次に活いかすことを自分のルールにしました。つい最近、僕が担当した試作品の金型がようやく完成しました。それを使って量産することが決まれば、この部品を搭とうい載さした多くのバイクが世界の国々で走ることになります。これから先、こんな感動をたくさん味わえると思うと胸が躍おりますが、同時に自分の未熟さも痛感します。そんな時は、捨てられていたバイクに、「意地でも走らせてやる」と誓ったあの気持ちを思い出し、自分にエンジンをかけるのです。14oV3202ETON.lど ARUKAS自動車・オートバイの車輛・電装品用特殊精密部品、産業機械用部品の開発・製造・販売。株式会社 月星製作所〒922-8611 加賀市永井町71-1-1Tel. 0761-73-8282 URL https://www.tsukiboshi.co.jp ■代 表 者 代表取締役社長 打本 渉■設   立 昭和22年  ■従業員数 510名 (グループ全体)昨年、春に完成した新社屋に設けられたフリーオフィスは、まるで森の中にいるよう。カフェテリアも広くて清潔感があり、会社に行くのが楽しくなります。冷間圧造の技術は、先人の知恵がたくさんつまっていて、それを設計に活かすことが重要です。

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