株式会社 タガミ・イーエクス
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93oV2202ETON.l 7けARUKAS「もう一度やらせてください」進んだ道の先にあった感動せる先輩たちを横目に私は手も動かせず、その場に立ちつくすしかありませんでした。自分がいかに甘かったのかを思い知らされた社会人1年目でした。現実逃とうひ避の日々は刻こくく々こと過ぎていき、自分の答えを出す時が近づいてきました。しばらく会社を休むことで心をリセットできた私は、社長に頭を下げにいきました。覚悟を決めて再びトーチを握にぎった私は、先輩の仕事をよく見ることから職場に戻ることを許してもらい、プロは道具を大切にする時間を気にすることなく、ゆっくりやれば誰でもいいものが作れますが、仕事に求められるのは、さらにスピードと量。それは、どんな職業にも共通していると思います。そこで大切になってくるのは使う道具。どんな高価な道具でも手入れされていなければ性能も下がり、置き場所がバラバラだい方を見れば、と時間をロスします。道具の扱構えがわかるのです。自分が仕事に対する心使う道具を他人に触られたくないのはそれが理由。道具の状態がその日の仕事の良し悪言ではなく、そのしを左右するといっても過差が積み重なると大きな違いとなって表れまれないそのポリシーが、自分のプす。絶対譲ライドを支えているのです。だから、決して私の道具にだけは触れないでください(笑)。技ぎりう量ょが高く仕事が早い人は皆、道具かごんこころがま始めました。真まね似して自分でやってみて、わからないことは何度も聞きに行きました。そこで気づいたのは、を大切に扱あつかい、使いやすいよう常に整理しているということ。それを見習い、道具を運ぶ専用の台車も自分で手作りしました。会社に復帰してからは、ただ黙もくく々もと仕事だけを見つめる日々。そして7年の月日が経った時、「溶接技術競技大会」に出る選抜選手に私が選ばれました。競技課題は、普段の仕ゆず嬉うれしかったのはもちろんですが、自事ではやらない高難度の溶接。2枚の鉄板の隙すきま間を縫ぬうようにトーチを動かし、邪魔する板をくぐり、重力に逆らって表から裏へ埋めるように溶接します。外観の美しさだけでなく、溶接部分に放射線を当てたり曲げたりして、内部の状態や強度もすべて検査され、順位が決まります。競技大会が終わり、普段の仕事に戻った2か月後、「翔偉、お前やったぞ!」と工場長にいきなり叫さばれ、失敗でもやらかしたのか心配になりましたが、「チャンピオンや!」と言われ、その意味がわかりました。分を信じて可能性を繋つないでくれた社長、そして自分を見捨てず、技術を余すことなく伝授してくれ、よく遊びにも誘ってくれた師匠でもある先輩に、私は深く感謝しました。あつか昨年子供が誕生しました。早く帰って一緒にお風呂に入りたいから、仕事のスピードもより速くなりました。県大会で優勝し、出場した全国大会は有名な大手企業の選手ばかり。若手から70代の高齢選手までいて、自分の伸びしろがまだたくさんあることを実感しました。県内有数の加工設備を駆使して、産業・建設・環境機械や周辺装置の開発から設計、加工、組立、販売までを行なっています。株式会社タガミ・イーエクス〒923-1101 能美市粟生町西2-2Tel. 0761-57-3525 URL http://www.tagamiex.co.jp ■代 表 者 代表取締役社長 田上 好裕 ■創  業  昭和40年  ■従業員数 257名  

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